現在の太陽系では太陽の質量が99.86%であり、惑星を形成したのは太陽系の全体の質量の僅か 0.14%程度です。 惑星は太陽中心の重力場の公転軌道はケプラーの第3法則(r3/T2)=G(m+M)/(4π2)で決まる軌道を周回しています・ここで、Mは太陽の質量であり、mは惑星の質量です。同じ公転軌道にある物質は大小にかかわらずほぼ同じ速度で周回しています。惑星は太陽中心の公転軌道を周期する星雲の僅か一部の物質から形成されました。同じ公転軌道を同じ速度で周回する物質はゆっくりと接触することがあります。原子と原子が原子間距離程度に接近すると、物質の正と負の電荷が相殺されずに化学的な相互作用をします。ファンデル・ワールス力による結合が発生します。
原子の大きさの距離ではクーロン力の力は万有引力の力に比べて1036倍も大きいです。そこで、宇宙塵の固体と固体が接触すると、接触点で局部的に結合して塊になります。こうして、太陽中心の重力場の公転軌道上で宇宙塵が塊となり、微惑星となり惑星になったという説を提案します。(2023年5月17日更新
)
従来の太陽系形成の標準モデルされるシナリオでは、 星間分子雲から原始太陽系円盤ができ、その塵の層に微惑星ができ、原始惑星となり、円盤ガスが消失して、現在の惑星ができたという説明です。
ところが、そこで、最も軽い水素分子が重力によって集まって、最初に太陽ができたという説は疑問です。 また、惑星の形成には惑星間の衝突があったとしていますが、惑星がどのようにして惑星に衝突して、その後の公転がどのようになったかは疑問です。
惑星を形成したのは物質であり、物質の科学の見地からは星間物質の微粒子が付着してできた塊が惑星に成長したと考えるのが自然です。
従来の 惑星の形成論では隕石の衝突が主役を演じています。 しかし、隕石同士が衝突すれば粉々に破壊されるのが常です。
物質は微細になるほどエネルギーの高い表面状態の比率が増えます 。緩やかに接触すれば、微粒子が分子間力などで付着して塊となり低いエネルギー状態になります。
大きな塊になった天体の内部では圧力が高くなり、中心部になるほど温度が上昇します。 隕石の諸突で惑星の中心部の温度が上昇したと説明するのには無理があります。
(写真はPixta提供7751137)
惑星のような天体は物質であり、最初に天体を形成する過程はクーロン力のような近距離力によります。 その力の作用はオングストローム(10-10m )の単位で論議される接近した距離です。万有引力では物体の形成過程を説明できません。原子レベルの世界では 万有引力は近距離力と比較して桁が35も小さいのです。
太陽も惑星と同じように 最初は星間物質が静かに接触して分子間結合で付着して塊となり、成長した考えます。太陽系の中心部は星間物質の濃度が高く、太陽の成長速度が速く著しく大きくなりました。微細粒子は固体を繋ぎとめる役割を果たします。しかし、岩石惑星が水の分子や微粒子を太陽風
が吹き飛ばしてしまう 環境で誕生するの困難です。
J. S ルイスは惑星と衛星の内部構造を調べ、太陽から遠くになるにつれて低い温度で凝固した材料から天体が作られたという平衡凝縮説(1974)を提案しました。
この平衡凝縮説では外惑星は太陽と殆ど同時に誕生したと説明していますが、原始太陽系星雲が2000℃くらいの状態で惑星が誕生したとして、 その時に現在の惑星の内部層構造がほぼ出来上がっていたという説です[5]。
ここで、 ルイスの説の初期の太陽系の高温状態が太陽の核融合によると変更して、 太陽が核融合始めた時にはかなり惑星は形成されており、太陽から放出された隕石が衝突してマグマオーシャンを作り、その時に取り込まれていた気体成分が放出されたとして、
金星の多量の二酸化炭素の大気や、地球の多量の海水ができたと説明できます[5]. また、金星の自転が時計回転方向であるのは太陽の初期の核融合爆発で放出された反時計方向の回転成分を持つ多量の隕石を取り込んだとして説明できます[6]。
[参考文献]
[5] 秋山雅彦, 「大気のおいたち 」、pp.25, 青木書店、1987年2月。
[6] 唐澤信司, 「物性論に基づく比較惑星学」, 2017
http://www7b.biglobe.ne.jp/~shinji-k/Jp%20planetology%20page4.htm
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