1. 科学の起源と現代の科学
知的な活動といえども無制限に活性化することは問題があります。知的活動は大脳新皮質で言語を用いて行なわれますが、その連合野における情報処理の活動は現実の世界と直接的に関わっていません。
そこで、人間の思考活動が大脳辺縁系の活動を抑圧する傾向があり、科学は生き物としての本能を抑圧する傾向があります。他方、辺縁系は間脳を含む脳幹と大脳皮質と間にあり、情動、記憶,原始的な感覚、自立系の反応などの統合に関わっています。
辺縁系は現実において生命を維持するために不可欠です。社会の風潮あるいは人工知能に安易に判断をゆだねるとすると判断が過激になる危険性があります。
その危険性は文明発祥と共に存在しました。 古代ギリシャの神殿には 「極端を慎め」あるいは「度を過ごすべからず」と記した文書が奉納されていたといいます。
旧約聖書に「バベルの塔」という話があります。それは言葉によって形成された文明の興亡を示す事例と考えられます。最初は皆が同じ言語を使って協調して共同生活をしていたのですが、やがて人間同士が競り合いにより人間が不遜になり[バブ・イリ]「神々の門」と名乗り、後に「バビロン」という地名になりました[1]。
そこを舞台にして「天に達する塔を築き、それによって我々の名を有名にしよう」ということで高い塔を建設すことに取り組みました。しかし、途中で神に近づき過ぎた為に神の怒りを買い、
言葉が通じないようになってしまいその社会が滅亡しました。
「知」ということについては古代ギリシャの知恵(ソフィアsophia)を愛する人々(フィレインphilein)〉が残した言葉が参考になります。
自然科学の開祖とされるヘラクレイトス は「何人も同じ水でその足を二度とは洗い清められない。 なぜなら全ては流転し、変わりゆくものなのだから。」と書き残しました。文明は新陳代謝されて変化しています。
環境が変われば反応し、反応すれば環境が変わる。環境が変われば、…。 物質は環境に適応し、細胞は生体内の環境に適応して、生物は生態系に適応します。
斯くして,万物は歴史を共にして変化を辿ります。しかし、情報は変わりません。人間が皆で同じことを繰り返していては破綻します。 現代は新しい分野の開拓者を求めています。実世界に多くの未開拓の分野があります。
-2024年8月10日更新-
1.パラダイムシフト
-哲学の起源と展望-
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1.1 節 東洋哲学と西洋哲学 倫理と現実主義
1.2 節 最初の自然科学 上り坂も下り坂も同じである。
1.3 節 現実を対象にした科学 科学はロゴスの世界。
1.4 節 プラトンのアカデミ- 数学の無知者入るべからず。
1.5 節 日常現実の科学の扉を開く鍵 1 + 1 ≠ 2 .
2022年11月24日 modified
2.パイオニアの課題
-惑星の起源と生命の起源ー
現在において取り組むべき課題の一つに生命の起源があります。生命の起源を解明する際にはその環境として、太陽系の形成過程を明らかにする必要があります。
2.1 節 惑星の起源 隕石は衝突して合体はしない.
Website "物性論に基づく比較惑星学" (Last modified April 3, 2023)
2.2 節 上空の地磁気を担う運動する荷電粒子 運動する荷電粒子間の磁気作用-2024年5月2日 upload-
2.3 節 惑星を周回する大気 太陽風による惑星の大気の運動 -2021年6月16日 upload-
2.4 節 木星の地磁気 大赤斑による南極のオーロラの抑制 -2021年6月26日 upload-
2.5 節 タイタンのメタンの湖 タイタンのスーパーローテーション- -2021年7月3日 upload-
2.6 節 生物の誕生 -内部共生によるタンパク質を作るしくみの進化- -2021年8月17日 upload-
2.7 節 生物の進化 -細胞内の分業による進化- -2021年8月17日 upload-
2.8 節 レアリズムによる現代科学の復興 -反レアリズムの風潮を一掃すべきです- -2024年10月9日 upload-
-画像で綴る生命の起源.pdf へのリンク- -2024年11月16日 更新-
-初期地球の水の環境における化学進化-- Presentation Video at NoRCELL 2021 (日本語訳) -
[出版論文]
"Function Inspired Structures of Proto-Ribosome and the First Aminoacyl-tRNA
Synthetase;, ",Geol Earth Mar Sci Volume 5(8): 1–3. https://doi.org/10.31038/gems.2023581
"Formation of Terrestrial Planets from the Viewpoints of Astrophysics
and Material Science – Formation of Planetesimals by Chemical Reactions
at Contact Points between Solids ", Geol Earth Mar Sci, Volume 5(2):
1–6, 2023 DOI: 10.31038/GEMS.2023522
"Origin of Life in the Water of the Earth ", Geol Earth Mar Sci,
Vol.5(1):1-7, 2023, DOI: 10.31038/GEMS.2023511
"Earliest BIF and Life Produced via Submarine Volcanism in Carbonated Seawater", Geol Earth Mar Sci, Volume 4(2): 1–5, 2022. "https://doi.org/10.31038/gems.2022424
"Effects of Solar Wind on Earth’s Climate", Geol Earth Mar Sci, Volume 4(2): 1–5, 2022. https://doi.org/10.31038/gems.2022421
"How rings of outer planets formed and why the rotating axis of icy planets tilted" Academia Letters, Article 4996, 2022.
"Prebiotic reactions in the bubble that was formed in carbonated water
by iron atoms", Viva Origino, Vol.42 (No.3) 2014.
"Impulse circuits for a distributed control inspired by the neutroanatomical
structure of a cerebellum" Intelligent engineering systems through
artificisl neuralnetworks, Vol 10, pp.185-190, ASME press, 2000.
"Origin of Piezoelectricity in an α-Quartz",
Japanese Journal of Applied Physics,Vol.13 No.5 799-803.1974.
[最近アップロドしたビデオおよび学会は表表]-2024年8月24日更新-
[参考文献]
[1] NHK取材班,失われた時への旅-NHK未来への遺産取材記-,日放送出版協会,1974.
[2] Mehlika Seval著Sarman 万里子訳,エフェソス探訪,ミンヤトュール出版, ISBN 975-7647-11-X
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